最高のところへ嫁いでいきました。よかったです。

「こんにちわ〜」
にっこりと微笑む美人がお店のガラス越しに立ってます。

「あ、いっらしゃいませ」、、、
あれ?誰だっけ???最近物忘れが激しくて、、、
と、次の瞬間その女性の後ろにあのギターを手渡した女の子の姿が目に飛び込んできました!

「わあ!あの時のお母さん!メガネをかけていらしたですよね?今日はかけてらっしゃらないから直ぐにはわかんなかったです!」

「はい!なかなか来れなくてすみませんでした。それにいっそのこと一曲ぐらいちゃんと弾けるようになってからお伺いしようかな、ともこの娘と相談してたりして、、、」

「わあ!よかったです!いやーほんとわざわざ恐縮です、、でも、うち、ろくなもんないっすよ。ま、とりあえずジュースとケーキでも、、、」

「はい!今日は朝ごはんも取らないでいましたから食事がてら行ってしまおうか!って思い切って伺いました。ところでメニューは?」

「うわ、うわ、カレーにオムライスにハンバーグ、うちそんなもんで、、、それにとりわけ子供には無理くり野菜を食べさせちゃったりの押し売り営業っす」

「この娘、カレーがダメなんですよ」

「よっしゃ!じゃハンバーグ!野菜てんこ盛り付きで!」

細い体のメガネが似合うかわいい女の子のです。一生懸命ママとてんこ盛りのサラダをたいらげてくれました。

「この娘いつになくよく食べてくれたので、私も食事させてください。カレーは私は大丈夫ですから」

「あ、じゃうちのカレー試します?田舎のおばあちゃんが作るようなカレーだけどこれを毎日のように大盛りで食べてくれる板前さんとかいるんですよ!」

いろいろ話してくれました。お姉ちゃんが軽音部でVocalをやってらして、先日大きなイベントで大勢のバンドがひしめく中トリを務めたとか、高校の3年生で同級生が進学の志望校を決めていく中、自分は参加したアメリカ人中心に構成されたミュージカル仕立てのワークショップで手応えを感じたらしく、将来パフォーマーとして全米を回りたいと夢を語ってらっしゃるとか。

聞いている方もなんかワクワクしてきちゃいます。

何より嬉しかったのはどこの馬の骨とかわからぬ変なおっさんから受け取ったギターをお兄ちゃんやお父さんが背中丸めて弾きこんでいるバックショットをスマホで見せていただいたこととか、軽音でバリバリ!将来世界を股にかけるパフォーマーを目指すお姉さんから「そのギター貸して!」と言われたとかのエピソードを伺って、、、、

思わずお母さんに聞いてしまいました。

「正直いきなり変なおっさんからギターをもらったりして『気持ち悪い』とか思ったりしませんでしたか?結構、人にものをあげるのもそれなりに押し付けがましいかなとか、かえって迷惑かなとかいろいろ考えちゃって、、、」

「あの日はうちの家族全員が幸せな気分に浸っていました。ありがとうございました。」

照れ隠しも何もうまくできません
、、、鼻水が出てきちゃいます。

極め付けに新しい持ち主の彼女の演奏している動画を見させていただきました!ギターを抱えた姿に思わず「わあ!やっぱお似合いじゃん!」

で、ちゃんとコードを奏でています。『いつの間に覚えたの!』のお母さんのセリフが絡んできます。

一生懸命練習したんですね、感動で鳥肌と涙が出てきました。わずか一ヶ月です。

本当にいいところへ嫁がせたなって、、、、

よっしゃ!こっちもこの娘や未来のスーパースターのお姉さんと共演できるように頑張らなくっちゃね!

新たな目標ができたかも?






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常識はずれと自分らしさ、、、

「名刺とかいただけますか?」
別れ際にお母さんが尋ねられました。

「いや、そんな、名刺を持ち歩くほどの身分じゃありません。市場の休憩所の管理人ですから」と照れ隠しに受け流します。「あの、、、新品で買っても大した金額のものじゃないんで、本当にね、気に入ってくれたことでこっちは満足なんで、、、」

「今度一度お店にお伺いいたします。」

「はあ、、暇な時にでもゆっくりにどうぞ」
本当に気を使って欲しくありません。願わくばただただあのギターを毎日弾いてやってもらいたいと思ってます。

譲ったギターですが、音と弾きやすさには結構満足して弾いていたのですが、何のこだわりか自分でも解りませんが、カラーリングが自分のものじゃない!って常々思ってました。

エレキはPE-60チェリーサンバーストで決まり!これには本当にこだわってます。最初に手にしたギターがアリアのチェリーサンバーストのレスポールのコピーモデル。
バンド時代トリミング

はしたない写真で恐縮ですが(基本今だに裸族です!さらに恐縮です!!)そのギターを抱えてる写真がこの一枚しか残ってません。この写真を撮ってくれた竹馬の友はすでに「天国の階段」を登ってしまいましたが、奴が「やっぱお前はこのギターだよな」って常々言ってました。向こうに行って見せたら絶対に「お前らしいの使ってんじゃん!」と言わせる自信があります!

トレモロ付きが必要とあればあくまでもサブ機なのでそれほどこだわりはありません。圧倒的に弾く頻度は低いからに他なりません。

アコギは断然スプロースのナチュラルってーのが私のこだわりです。
オベーションもナチュラルじゃなかったらいっくらケース付き3万円のお買い得でも買ってません!
お似合いの色というのは自分らしさを表現する上でも重要な要素だと思っています。

実際お嬢に譲ったギターを買った時も30分ぐらい弾き倒して、その音と操作性を今ひとつ納得のいっていないカラーリングとを天秤にかけて迷いながらもレジに持って行った次第でした。

ただその時はライブ活動を始めるにあたってアンプにつなげられるアコギがどうしても必要と感じていたからこその妥協がありました。ステージを踏むという条件がなかったら私には無縁のギターだったに違いありません。
そのギターをステージに運ぶためのハードケースを買いに行った時にあの「ちゃいなオベーション」に出会います。セオリーとすれば僅かでも下取り金をその購入資金に当てるのが合理的なのかもしれません。(だって納得いってないんでしょ?)ですから。当初そのつもりでした。
ただまさにカウンターに差し出さんとした時「俺って本当身勝手だな〜」って思ってしまいました。
一度は「お前でいくぜ!よろしくな!」とせっせと磨いて、フレット擦り合わせて、サドルも調整して、ナットの溝もヤスリがけして、弦を張り替えて、うんぬんカンヌン、、、で、新しい恋人ができた途端「はいさいなら」がどーしてもできませんでした。かといっていろんなギターを器用に使いこなすほどの腕もありません。値段の割にはなかなかの器量の持ち主です。下取ってもらって店頭に並んだらすぐ買い手はついたやもしれませんが、コスパが高いが故にぞんざいに扱われてはかわいそうです。
「俺がきっちりお前にお似合いの次の嫁ぎ先を見つけてやる!」つーのがその時の心情です。

私の店には手作りにこだわる作家さんたちから預かった作品が展示されています。当然ながらその一つ一つが全て想いを込めて仕上げられたものばかりです。
買い求められた人にもそれを慈しんで感情移入してもらいたいと思っています。

今回の私の非常識な行為はそのことを自分自身への戒めとして、他人様に付き合ってもらった本当に自分勝手な自己満足でしかありません。
ですからことさらに「今度一度お店にお伺いいたします。」はちょっと重荷です。

願わくばあの微笑んでくれた名も知らぬ少女が友達から
「そのギターお似合いだね!どこで手に入れたの?」

「うん変なおっさんがくれた!」
なんつー会話を想像して頬杖つきながらほくそ笑んでいるぐらいがちょーどいい感じです。

少なくとも私の目には彼女に抱かれたあのギターが彼女同様に笑ってくれたように感じましたからね。







バカは死んでも治らない(その2)

40代前半ぐらいなのかな?ご夫妻でお見えのちょっといでたちのお洒落なお二人です。
昔取った杵柄てな感じで、「またちょっとギターを弾いてみようか」みたいなノリかな?
旦那さんの方がエントリークラスのギターをあれもこれも手にとっては元に戻す行為を繰り返してらっしゃいます。

「少し他を回ってくるか、、、」と館内を一周してきたのですが、あのTAKAMINEのギターが気になってちょっと挙動不審!

戻ってみると近くに小学生の高学年かな?それとも中学生?の娘さんがいることに気がつきました。
どうやらその娘さんにあてがうギターをお探しのようです。
どうもお父さんはギターを弾いたことが無いようで、試奏せずに元に戻してらっしゃったのはそのせいですね。

この店舗には程度の良いエントリークラスのギターが並んではいますが、その辺は私、すでに片っ端から試奏済み!

(あ!それは見た目はいいけど全然弾きづらいっし!あ!それ!低音が出ないよ!)
とはたでかってにジャッジしてます。

で、なんと!いよいよあのTAKAMINEのギターに手をかけてしまいました!

そこで私、思わず、いきなりの唐突に!
「そのギター!この辺の価格のものの中では飛び抜けてできがいーですよ!」

「え!お店の方ですか?」

「いえ、違います。あ、すいません。このギター、以前試し弾きしてからずーっと欲しかったんですけど、何台もギター持つのは贅沢だと我慢してたんですけどね、ちょっと人にあげてみようかと今日ここに来たんですけど、、、もう全然弾きやすさとか音色とか違うんですよ!」

と同じぐらいの値段のギターをそれぞれ弾いて見せてあげました。

「わあほんと違いますね!」

「そーなんですこのギター見た目はおっさんくさいけど、弾くと大違い!高いところのフレットを押さえてもちゃんと響くでしょ!このギターと比べるとしたらこの辺りの3倍ぐらい値段の張るこのヤイリのギターかな?ってぐらいの掘り出し物です」

「娘の誕生日にと思って見に来たんですけど、まだ日にちが先なので今日はいいかなって思ってたんですけど、実際音を聞かされると欲しくなっちゃいました。、、、でもいいんですか?あなたが欲しかったものなんでしょ?」

「あ、でもおせっかいなんで、、、それにもう売れちゃったなら諦めが付くし、、、」

親御さんたちは私のオススメを素直に気に入ってくれたみたいです。

ですが!ですがです!肝心の娘さんがキョトンとしています。

やっぱちょっと地味なおっさんくさい(玄人好み?)のギター、、、こ、これはいかん!!!!

そこですかさず「ちなみにあとお父さん的にはどのギターをいーって思いました?」
(娘に抱えさせて似合うギターをお父さん的には選ぶはず!)

「このアリアのギターですかね、でも残念なことに左利き用だったんですよ」

ビンゴです!
うちの店の柱に掲げてあるギター!その上位バージョンです。しかも弾きやすくメンテアップ済み!
IMG_20180410_231935 (1)
自身で「初心者や女性に最適だ」と言い放ったあのギターがあるじゃないですか!

「お嬢!おじちゃんがギターあげるよ!」
「おじちゃんよりあんたの方がそのギター似合うと思うから!」

またやってしまいました、、、

「お父さん、お母さん時間あります?ちょっと店に戻って取ってきますから、途中にあるファミレスとかで待ち合わせでいーですか?」

「じゃ後ほど!」
もうTAKAMINEのギターは眼中になくなってしまいました。おっさん同士のお世話を焼くよりもお嬢の喜ぶ顔が見れるかもしれないとの期待でオンボロ車のアクセルを吹かします!





バカは死んでも治らない!(その1)

先日お師匠さんの店で一緒に居合わせたお客さん。師匠の愛用のギブソンのアコギを見るなり一目惚れ!触って、爪弾いてもう虜になってしまいました。

一見するとなんだかクラッシックギターの様なボディで、マシンヘッドもギヤむき出しのいかにも古めかしいいでたちのまさに骨董品といったギターです。また師匠が無造作にあっちにポイ!こっちにポイみたいなぞんざいな扱いなので弾いてみるまでは侮っていたのですが、私もちょこっと弾かせてもらってびっくりした品です。もうなんともただただ弾いてて飽きない!手に馴染むというか、、、
この方が愛しむ様に爪弾いた音がさらに艶っぽくて聴き入ってしまいました。

「このギター!譲ってください!いや私のアリアの12弦ギターを持ってきますので是非それと交換してくれませんか!!!」
「ネックの作りが最高です!私が初めて手にしたギブソンのSGとフィーリングがぴったりなんです!」

なるほど、マホガニーのあの硬すぎないほどよく響きを返してくれるネックが気持ち良さの正体だったのか!と気づかされて納得!です。
交渉成立なのか否か、なんとなく曖昧な感じでその日は夜中の12時近くまで色々だべりんぐしたのちに閉店と相成りました。

数日後師匠が朝いつものようにうちの店に寄った時、
「やっぱ12弦ギターはチューニングがめんどくさいな!」

「へー!じゃ交換したんですか?」

「いやだってほらチューニングめんどくさいし、、、」

いかにも師匠らしいかわし方だなと思いつつもあれだけ師匠のギブソンに惚れ込んで、すぐさま自分のお宝を持ち込んでのあの客人が気の毒に思えてきました。

そういえば音といい、弾き心地といいその風貌もよく似たTAKAMINEのギターがリサイクルショップにあったことを思い出しました。値段もナットの隅がちょこっと欠けているので破格な扱いのそれを師匠に使ってもらえたら、、、あるいは、、、

そうじゃなくともひょっとしたらあの客人が師匠のギブソンじゃなくて、それで満足してしまうかも?
まあ私にはそれぐらいの掘り出し物だと思った品です。
実のところ生音と弾きやすさで言ったら、先日仕入れたオベーションよりも上!
ただピックアップを備えてないのでライブでは使い勝手が、、、それにアコギ3台持ちは私には本当に贅沢品になってしまうので、自分のためには買えないなと思ってた品です。

買って持って行ったところで皆困るんじゃねーののばかたれのおせっかいの極みですが、気がつくと、もうそのリサイクルショップのギターコーナーに駆け上がっていました。(どうか売れてませんように!)

ありました!無事(?)売れ残ってました!

(やった、、、まだ売れてなかった!!!!)

でも先客がいます。
ちょっと分けいるのにはばかるぐらいに熱心に一本づつ吟味してらっしゃいます。
(どうかそのTAKAMINEには手をつけないで!!!!)
ハラハラドキドキです。

七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき、、、

室町時代後期の武将の太田道灌、ある日鷹狩りにでかけて、突然のにわか雨にさらされます。

みつけたみすぼらしい民家の戸を叩き、「突然の雨で難儀しておる。蓑(雨合羽でんな)を貸してはくれぬか」

で、応対したのが年端も行かぬ少女。

黙って山吹の花一枝折って差し出します。

「は!???」

「我、花を求むるにあらず!!」「なんじゃこやつ話にならん!」

と怒ってその場を立ち去りました。


後日そのことを家臣に告げた道灌は愕然とします。

「それは『七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき』といふ古歌のこゝろなるべし」と諭されるのです。


自身にとって身分も年齢も見下していた少女の「どうかお察し願いますの」意を汲み取れなかったことをおおいに恥じました。


この日を境にして彼は歌道に精進するようになったといいます。


単に拒絶、否定するのではなく、状況を歌にたとえて、悟らせ、気づかせて、申し出そのものを引き下げさせようとした行いが奥ゆかしく、知性にあふれ、高貴にすら思えますよね。


現代においてはどうでしょう。


「ピンポーン!すいません!雨降って来ちゃって、、、カッパかなんか貸してもらえます?」


「はぁ?」「お前だれ?ふざけてんの!!警察呼ぶぞ!!!!」

が常識的な流れですな。

「ほうほうそれはお困りでしょう。ま、とりあえずあがって濡れた頭でもお拭きになって」


とか、道灌に相対した少女の機知に富んだやりとりは逆に異常とみなされてしまいそうですね。


「状況に対して適切な判断がなされていません!相手がいきなり襲いかかって来たらどうしますか?ブッブー!!!×××やりなおし!」


などと評価されそうです。


「未然に危険を回避することを常に心がけましょう!ことが起きる前にまず相談を!」なのかもしれませんが、なんでもかんでも展開が荒っぽすぎてついていけません。


タクシーの運転手をしていた一般人がある日突然有名女優に対してのストーカー行為で犯罪者として逮捕。その執行役であるところの警察官が国家権力として公的な扱いを尊守しなければならない拳銃で自身の教育係の上司を射殺、パトカーで逃走!


機知に富んだやりとりどころか笑えない飛躍しすぎな冗談の様な事件ばかりです。

ちゃんとしたコミュニケーションはとれてなかったのでしょうか?


とりあえず今日うちのお店に来てくれた子供達は皆「こんにちは」「ごちそうさま」「さようなら」

と言ってくれてます。


「さようならまたね!」がお気に入りの挨拶です。

「さようなら」には「そうゆうことでしたら、、、」という相手の状況を思いやる意が込められていて、この言葉は世界で最も美しい別れの挨拶と賞賛された日本人の宝ものです。


歌道に精進した道灌は山吹の花を差し出した少女にすぐさま「おう!それは拙者の不届きな申し出で其方にせつなき想いをさせてしまった、申し訳ござらん!さようであるならば!」と凛としてその場を立ち去ることができうるでしょうね。


とりあえずは、『挨拶をきちっとしないと、このおじちゃんのおばちゃんマスターは怒っちゃうよ!』ですかね。






プロフィール

おしげ

Author:おしげ
東久留米の市場の中の小さな小さな休憩所、そこの管理人です。
とはいえ自己管理とかが大の苦手、適宜テキトー大雑把が信条の私!
大丈夫かー!

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