生き様というこだわり、自由とは?

ちょっと遅くなってしまいました。なんせ愚図ですからね。
師匠の店の扉を開けたのは9時半を回ってしまっていました。
中にいらした他の客人は「もう食えない!」「今回過去最高のボリュームじゃない?」
なんておなかをさすっていらっしゃいます。

「餃子!!!!のこってますー?!!!!」

「おうよ!ちょっと待っててな!」
せっかく皆に振る舞ってやっと一息つけるなってところへの参入です!ほんと申し訳ないけど、背に腹は代えられぬほど腹が減ってます。腹が減ると私、この歳にもかかわらず若干凶暴にもなります。

それを見透かしてか間髪入れずにモツ煮込みが飛び出してきました。
ショウガが他の肉よりもでかいというワイルドさ!だけど食べるとやさしい味です。
師匠のつくる料理は皆そんな感じです。
素材や下ごしらえにいっさい手抜き無しです。ひょうひょうと、背中をじゃっかん丸めてT
シャツのすそから手を入れてポリポリと腰の上当たりを掻きながら歩き回る姿からは到底想像できない料理がつぎつぎとくり出されます。

「餃子は音が大事だからな、火のそばから離れられないんだ」

「うん!乾いたパチパチって音が大事なタイミングですよね」
そう返すと嬉しそうに
「そう!そう!」
と微笑んでくれます。
「ほい!」
出てきました!みごとな焦げ目とまるまると太った普通の餃子のゆうに2倍ぐらいはある大きさの代物です。
直感的に大口開けて一口でまるごといただきます。
案の定、極上の小龍包のごとく肉汁があふれでました!
「うめー、、、、」おもわず顔がほころびます。
気がつくとその様を観て師匠がほくそえんでます。
「カレーも食うか?」
「もち!」
「冷たいのと温かいのとどっちがいい?」
「冷たいの!!!!」
「さーすがプロ!!!」
て、当然でしょ?冷たいカレーなぞ聞いた事がない!
師匠またなにか秘策を思いついた様です。
んで、出て来たのが牛筋カレーなのですが、大量の福神漬けがのっかってます。
さっそくご飯とルーと福神漬けをからめて口に運びます。

・・・納得です!

牛筋の脂身がよけいにルーに溶け込まぬようにして、それぞれの境界線を侵さぬ様、とくに極上の福神漬けのはざわりも同時に楽しめる様につーことですかね!こんなアイデアどうして生まれるのでしょう?

「俺にとっては当たり前のことなんだよね、常に自由な発想でいいんじゃないの?ちがう?」
「音楽にしたって、なんにしたって厳密に言うとだ、本当はオリジナルなんてないんだよ。でもそこに自由な受け止め方というか演じ方というか、それをいかにフロントマンが生き様としてひっぱれるかどうかだよね、世間がどうこうじゃないんだよ、人が歩いてるレールの脇を歩けよ!そもそも最近の一方を排除する様な風潮はどうかとおもうしな!」

まさに風貌もおっしゃることも仙人そのものなので理解不能!ただただあんぐりしてしまいます。

自由とはかくも過酷なほどの内面のこだわりを要するってことだけはなんとなく解ります。

まあ、なにひとつまねなど出来ませんが、とりあえずは自分のつくったもので人が喜ぶ様な、、、そのさまを観て、にやけている境地には至りたいものです。



常識はずれと自分らしさ、、、

「名刺とかいただけますか?」
別れ際にお母さんが尋ねられました。

「いや、そんな、名刺を持ち歩くほどの身分じゃありません。市場の休憩所の管理人ですから」と照れ隠しに受け流します。「あの、、、新品で買っても大した金額のものじゃないんで、本当にね、気に入ってくれたことでこっちは満足なんで、、、」

「今度一度お店にお伺いいたします。」

「はあ、、暇な時にでもゆっくりにどうぞ」
本当に気を使って欲しくありません。願わくばただただあのギターを毎日弾いてやってもらいたいと思ってます。

譲ったギターですが、音と弾きやすさには結構満足して弾いていたのですが、何のこだわりか自分でも解りませんが、カラーリングが自分のものじゃない!って常々思ってました。

エレキはPE-60チェリーサンバーストで決まり!これには本当にこだわってます。最初に手にしたギターがアリアのチェリーサンバーストのレスポールのコピーモデル。
バンド時代トリミング

はしたない写真で恐縮ですが(基本今だに裸族です!さらに恐縮です!!)そのギターを抱えてる写真がこの一枚しか残ってません。この写真を撮ってくれた竹馬の友はすでに「天国の階段」を登ってしまいましたが、奴が「やっぱお前はこのギターだよな」って常々言ってました。向こうに行って見せたら絶対に「お前らしいの使ってんじゃん!」と言わせる自信があります!

トレモロ付きが必要とあればあくまでもサブ機なのでそれほどこだわりはありません。圧倒的に弾く頻度は低いからに他なりません。

アコギは断然スプロースのナチュラルってーのが私のこだわりです。
オベーションもナチュラルじゃなかったらいっくらケース付き3万円のお買い得でも買ってません!
お似合いの色というのは自分らしさを表現する上でも重要な要素だと思っています。

実際お嬢に譲ったギターを買った時も30分ぐらい弾き倒して、その音と操作性を今ひとつ納得のいっていないカラーリングとを天秤にかけて迷いながらもレジに持って行った次第でした。

ただその時はライブ活動を始めるにあたってアンプにつなげられるアコギがどうしても必要と感じていたからこその妥協がありました。ステージを踏むという条件がなかったら私には無縁のギターだったに違いありません。
そのギターをステージに運ぶためのハードケースを買いに行った時にあの「ちゃいなオベーション」に出会います。セオリーとすれば僅かでも下取り金をその購入資金に当てるのが合理的なのかもしれません。(だって納得いってないんでしょ?)ですから。当初そのつもりでした。
ただまさにカウンターに差し出さんとした時「俺って本当身勝手だな〜」って思ってしまいました。
一度は「お前でいくぜ!よろしくな!」とせっせと磨いて、フレット擦り合わせて、サドルも調整して、ナットの溝もヤスリがけして、弦を張り替えて、うんぬんカンヌン、、、で、新しい恋人ができた途端「はいさいなら」がどーしてもできませんでした。かといっていろんなギターを器用に使いこなすほどの腕もありません。値段の割にはなかなかの器量の持ち主です。下取ってもらって店頭に並んだらすぐ買い手はついたやもしれませんが、コスパが高いが故にぞんざいに扱われてはかわいそうです。
「俺がきっちりお前にお似合いの次の嫁ぎ先を見つけてやる!」つーのがその時の心情です。

私の店には手作りにこだわる作家さんたちから預かった作品が展示されています。当然ながらその一つ一つが全て想いを込めて仕上げられたものばかりです。
買い求められた人にもそれを慈しんで感情移入してもらいたいと思っています。

今回の私の非常識な行為はそのことを自分自身への戒めとして、他人様に付き合ってもらった本当に自分勝手な自己満足でしかありません。
ですからことさらに「今度一度お店にお伺いいたします。」はちょっと重荷です。

願わくばあの微笑んでくれた名も知らぬ少女が友達から
「そのギターお似合いだね!どこで手に入れたの?」

「うん変なおっさんがくれた!」
なんつー会話を想像して頬杖つきながらほくそ笑んでいるぐらいがちょーどいい感じです。

少なくとも私の目には彼女に抱かれたあのギターが彼女同様に笑ってくれたように感じましたからね。







バカは死んでも治らない(その3)

「ジョナサンとかだったら分かりますけど」

「了解です!じゃお嬢そこでケーキでも食べて待っててね。おいさん急いで取ってくるから!」

とは言ったもののこちとらちょーが付くぐらいのビンボー人なので、外食はもっぱらすき屋の牛丼オンリイ!待ち合わせをするとしても庶民の味方のサイゼリアぐらいですから、おっしゃったジョナサンがどこか分かってないといったちょー行き当たりバッタり!

それでもどこの馬の骨かわからんいきなり変なおじさんに「ギターあげる!」と言われた方の身を考えるとあんまり待たせるとそのジョナサンからも引き上げてしまうやと気ばっかり焦ります。

「うわ!ケースがないんだっけ!とりあえずこの袋で、、、げっ、はいらん!んじゃこのエレキのケースで、、、さらにはいらん!(当たり前か)あ、ここ手垢が!!」、、、GO!

 「ちょっと待ったー!!このギター!プリアンプの音がいいんだっけ!アンプ、アンプ、、、えーい一二日前に買ったこのアンプで、もーいーや今更リサイクルショップへ寄ってなんてしてられへん!」GO!
じゃなくてシールドも必要でしょ!あ!そーだ弦交換の時に必要なペグ回し確かあったはず!」
ドンガラガッシャーン!!!、、、「んーんそれは買ってもらうか」、、、、

ジョナサン、ジョナサン、、、ナビの周辺検索で最寄りのジョナサン、、、出ました!

急げや急げ!

駐車場に着くやいなや角が破れた袋に3分の1程度だけ覆われたギターのネックをつかんで飛び降ります。
入り口に向かう途中で後ろから声をかけられました。

「中には入らずにここで待ってました。違うジョナサンに向かわれたのかとも思いまして」

やはり不安に駆られて待っていらした感じです。

で、無事再会を果たせたのでジョナサンの駐車場でミニミニライブです。
ホテルカリフォルニアにはお父さんが、クラプトンのティアーズインヘブンにはお母さんが「この曲大好きです」と反応してくれました。

「きれいな音出ますね、おいくらで譲っていただけますか?」

「へ、?お金はいりませんよ!私、ちゃんと自分のギターは持ってます!(ちゃいなオベーション)それに子供にギターを譲るのはなんか宝くじを買うようなワクワクがあるじゃないですか、将来すげー音楽家になったりしてとかね。お金もらったらそんなことを夢見るごりやくがなくなっちゃいます。(と訳のわかんない持論でごり押しです)
これだったらお嬢にお似合いでしょ。それにお父さんがいーって言ってたやつの上位バージョンでほらサウンドホールの飾りがお店のやつはプリントだけどこっちはアバロンって貝が埋め込まれてるんだからね!」

早速お嬢に手渡すと、、、

華やかな笑顔を見せてくれました!

実は彼女にはお姉ちゃんがいて、軽音楽部に所属してらっしゃるそうです。

「さっきのおっさんくさいギターよかこっちの方がお似合いだね!お姉ちゃんに取られんなよ!」
にっこり微笑んでくれました。

「おっさんくさい」で当初の「師匠にギブソンを手放す代わりのギターを」の目論見を思い出しましたけど、
(ま、いーか、、それがなければこの親子に巡り会えなかったことだろうし、お嬢の笑顔に会えることもなかったわけだし、、、)

ひょとしたら、、、引き寄せなんて単純なことかもね、なんだかんだを思いに従って動くか、否かってことだけ?。

そんな中師匠からのメールの着信、

「明日餃子作るからおいで!」
ぎょぎょ!こっちのこと見てんのか!?


バカは死んでも治らない(その2)

40代前半ぐらいなのかな?ご夫妻でお見えのちょっといでたちのお洒落なお二人です。
昔取った杵柄てな感じで、「またちょっとギターを弾いてみようか」みたいなノリかな?
旦那さんの方がエントリークラスのギターをあれもこれも手にとっては元に戻す行為を繰り返してらっしゃいます。

「少し他を回ってくるか、、、」と館内を一周してきたのですが、あのTAKAMINEのギターが気になってちょっと挙動不審!

戻ってみると近くに小学生の高学年かな?それとも中学生?の娘さんがいることに気がつきました。
どうやらその娘さんにあてがうギターをお探しのようです。
どうもお父さんはギターを弾いたことが無いようで、試奏せずに元に戻してらっしゃったのはそのせいですね。

この店舗には程度の良いエントリークラスのギターが並んではいますが、その辺は私、すでに片っ端から試奏済み!

(あ!それは見た目はいいけど全然弾きづらいっし!あ!それ!低音が出ないよ!)
とはたでかってにジャッジしてます。

で、なんと!いよいよあのTAKAMINEのギターに手をかけてしまいました!

そこで私、思わず、いきなりの唐突に!
「そのギター!この辺の価格のものの中では飛び抜けてできがいーですよ!」

「え!お店の方ですか?」

「いえ、違います。あ、すいません。このギター、以前試し弾きしてからずーっと欲しかったんですけど、何台もギター持つのは贅沢だと我慢してたんですけどね、ちょっと人にあげてみようかと今日ここに来たんですけど、、、もう全然弾きやすさとか音色とか違うんですよ!」

と同じぐらいの値段のギターをそれぞれ弾いて見せてあげました。

「わあほんと違いますね!」

「そーなんですこのギター見た目はおっさんくさいけど、弾くと大違い!高いところのフレットを押さえてもちゃんと響くでしょ!このギターと比べるとしたらこの辺りの3倍ぐらい値段の張るこのヤイリのギターかな?ってぐらいの掘り出し物です」

「娘の誕生日にと思って見に来たんですけど、まだ日にちが先なので今日はいいかなって思ってたんですけど、実際音を聞かされると欲しくなっちゃいました。、、、でもいいんですか?あなたが欲しかったものなんでしょ?」

「あ、でもおせっかいなんで、、、それにもう売れちゃったなら諦めが付くし、、、」

親御さんたちは私のオススメを素直に気に入ってくれたみたいです。

ですが!ですがです!肝心の娘さんがキョトンとしています。

やっぱちょっと地味なおっさんくさい(玄人好み?)のギター、、、こ、これはいかん!!!!

そこですかさず「ちなみにあとお父さん的にはどのギターをいーって思いました?」
(娘に抱えさせて似合うギターをお父さん的には選ぶはず!)

「このアリアのギターですかね、でも残念なことに左利き用だったんですよ」

ビンゴです!
うちの店の柱に掲げてあるギター!その上位バージョンです。しかも弾きやすくメンテアップ済み!
IMG_20180410_231935 (1)
自身で「初心者や女性に最適だ」と言い放ったあのギターがあるじゃないですか!

「お嬢!おじちゃんがギターあげるよ!」
「おじちゃんよりあんたの方がそのギター似合うと思うから!」

またやってしまいました、、、

「お父さん、お母さん時間あります?ちょっと店に戻って取ってきますから、途中にあるファミレスとかで待ち合わせでいーですか?」

「じゃ後ほど!」
もうTAKAMINEのギターは眼中になくなってしまいました。おっさん同士のお世話を焼くよりもお嬢の喜ぶ顔が見れるかもしれないとの期待でオンボロ車のアクセルを吹かします!





バカは死んでも治らない!(その1)

先日お師匠さんの店で一緒に居合わせたお客さん。師匠の愛用のギブソンのアコギを見るなり一目惚れ!触って、爪弾いてもう虜になってしまいました。

一見するとなんだかクラッシックギターの様なボディで、マシンヘッドもギヤむき出しのいかにも古めかしいいでたちのまさに骨董品といったギターです。また師匠が無造作にあっちにポイ!こっちにポイみたいなぞんざいな扱いなので弾いてみるまでは侮っていたのですが、私もちょこっと弾かせてもらってびっくりした品です。もうなんともただただ弾いてて飽きない!手に馴染むというか、、、
この方が愛しむ様に爪弾いた音がさらに艶っぽくて聴き入ってしまいました。

「このギター!譲ってください!いや私のアリアの12弦ギターを持ってきますので是非それと交換してくれませんか!!!」
「ネックの作りが最高です!私が初めて手にしたギブソンのSGとフィーリングがぴったりなんです!」

なるほど、マホガニーのあの硬すぎないほどよく響きを返してくれるネックが気持ち良さの正体だったのか!と気づかされて納得!です。
交渉成立なのか否か、なんとなく曖昧な感じでその日は夜中の12時近くまで色々だべりんぐしたのちに閉店と相成りました。

数日後師匠が朝いつものようにうちの店に寄った時、
「やっぱ12弦ギターはチューニングがめんどくさいな!」

「へー!じゃ交換したんですか?」

「いやだってほらチューニングめんどくさいし、、、」

いかにも師匠らしいかわし方だなと思いつつもあれだけ師匠のギブソンに惚れ込んで、すぐさま自分のお宝を持ち込んでのあの客人が気の毒に思えてきました。

そういえば音といい、弾き心地といいその風貌もよく似たTAKAMINEのギターがリサイクルショップにあったことを思い出しました。値段もナットの隅がちょこっと欠けているので破格な扱いのそれを師匠に使ってもらえたら、、、あるいは、、、

そうじゃなくともひょっとしたらあの客人が師匠のギブソンじゃなくて、それで満足してしまうかも?
まあ私にはそれぐらいの掘り出し物だと思った品です。
実のところ生音と弾きやすさで言ったら、先日仕入れたオベーションよりも上!
ただピックアップを備えてないのでライブでは使い勝手が、、、それにアコギ3台持ちは私には本当に贅沢品になってしまうので、自分のためには買えないなと思ってた品です。

買って持って行ったところで皆困るんじゃねーののばかたれのおせっかいの極みですが、気がつくと、もうそのリサイクルショップのギターコーナーに駆け上がっていました。(どうか売れてませんように!)

ありました!無事(?)売れ残ってました!

(やった、、、まだ売れてなかった!!!!)

でも先客がいます。
ちょっと分けいるのにはばかるぐらいに熱心に一本づつ吟味してらっしゃいます。
(どうかそのTAKAMINEには手をつけないで!!!!)
ハラハラドキドキです。

プロフィール

おしげ

Author:おしげ
東久留米の市場の中の小さな小さな休憩所、そこの管理人です。
とはいえ自己管理とかが大の苦手、適宜テキトー大雑把が信条の私!
大丈夫かー!

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